健康/health

他人の内心を知ることなどできない

 20代前半に「うつ病」になり、20代のほとんどを仕事もせず、心の苦しみと二人三脚して暮らしました。

うつ病は「心の風邪」という表現は間違い

 うつ病は「心のガン」です。薬を飲んでぐっすり寝ても、ぜんぜん治りません。薬物依存などの他の病気を、併発することもあります。死に至ることのある、とても深刻な病気です。風邪という表現では、うつ病を軽んじてしまいます。

心の苦しみは目に見えない

 心の苦しみは、他人には一切見えません。私はうつ病の苦しみを、誰かに理解して欲しかった。しかし、いつも望みはかなわず、失望してきました。

 当の私も、他の人の気持ちを理解しようとしますが、いつも入れ違い、すれ違い、勘違い、思い違いでおわります。

 こんな時、言葉の無力さを実感します。言葉が通じるのに、なぜ心が通じないのか。それが分からず、失望だけが残ります。

言葉はそんなにたくさん必要ない

 外国人技能実習生との付き合いが、私にヒントをくれます。言葉が通じない方が、分かり合えていると感じられるのです。「おはよう」「ありがとう」「ごめん」などの最低限の言葉があれば、もう充分なのです。

 いくら言葉やその概念を増やしても、もうそれ以上は分かり合えないのです。いくら言葉を駆使しても、ひとつの表情、ひとつの仕草にはかないません。限られた言葉でなら、お互いの心に負担がかからない付き合い方ができます。

 自分の都合のいいように、相手のことを解釈しているだけなのかもしれません。しかし、もともと他人の内心を知ることなどできないのです。深入りしようとすれば、迷って骨を折るだけですよ。

まず自分から微笑みかける

 もし他人に理解されず、失望することがあるのなら、自分も相手が理解できないことを、しっかり自覚することです。

 分かり合えないなどと、なるべく悩まないことです。そんな悩みは、ひとつの笑顔が解決してくれることだってあるのですから。

 自分が理解されることを望む前に、自分からまず相手に微笑みかけましょう。人に微笑みかけるのに、お金も時間も必要ありません。もちろん理屈などいりません。

わかっていても、笑うのが苦手です。