こんにちは (^^)v 幸福の天鼠(てんそ)ブログの著者、天鼠です。
今回は、アルコール依存症と共に生きる為の「姿勢と理念」を語っていきたいと思います。私の考え方に疑問を感じる方もいると思います。そんな時は「こんな考え方の人間もいるんだね」と知見を広げて頂ければ幸いです。
2013年夏。アルコール依存症で入院する直前の風景。ブログを書くことになるとは、当時は思ってもいませんでした。早希ちゃんのブログ旅を見ながら酒飲んでた。
Contents
姿勢と理念
1.断酒日数を数えない
「断酒○○日目」と数える事は、私は絶対にしません。いったい何日飲まずにいられたら「アルコールをやめた証」を貰えるのでしょうか?
断酒1日目より断酒1000日目の人の方が「すごい」のでしょうか?そんな事は無いと思います。何日断酒をしても「一口飲めばみんな一緒」です。私は断酒日数を誰かと競う気もありません。
始めは断酒日数が増える事で達成感を味わえますが、飲んだら「0」からスタートになるのは時に弊害をもたらします。
依存症とは「自分の意志ではどうにもならない状態」の事です。自分ではコントロールできない状態で一生付き合って行くのに、自分を追い込むような方法をとるのは、私は適していないと考えています。
デートまでのカウントダウンなら可。
2.何勝何敗で考える
今年の勝率は「5勝7敗」です。5か月間は飲まなかったので「5勝」です。この考え方をすれば、断酒日数を気にして変に気負う事はありません。
99日間飲んでいなくて、100日目に飲んでしまったら99勝1敗です。次の日は気持ちを切り替え、100勝目を勝ち取って下さい。
アルコール依存症は完治しません。一生付き合って行く病です。だからこそ連続断酒日数を伸ばす事よりも「失敗から学び、すぐ気持ちを切り替える事」の方が大切だと私は思っています。断酒日数が多い人生が、幸福な人生はとは限りません。
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カジノでは勝負すな。
3.今、飲まない事を選択をする
人生には物事が順調に進む時期もあれば、何をやっても駄目な時期もあります。順調な時には「もう絶対にお酒なんて飲みません」と宣言できても、何かをきっかけに、前向きな気持ちが奪われる事だってあります。
気持ちが落ち込むと「人は過去を悔やみ、未来を悲観する」生き物です。「心ここにあらず」の良くない状態ですね。いくら後悔しても過去は変える事ができませんし、未来の事は誰にも分かりません。
そんな時、私たちが唯一できる事があります。「今、どうするか選択する事」です。簡単にできる事ではありませんが、私たちができる数少ない事のひとつです。
私が心掛けるのは「今、飲まない事を選択する」事です。逆に言うと、今飲まない選択をするだけでいいのです。飲んでしまった過去は消せませんから、悔やむのは程々にしましょう。どうなるか分からない未来の心配をしても、不安になるだけです。
誰にでも必ずいい時期と悪い時期があります。それでも淡々と「今、飲まない事を選択する」事で、悪い時期をやり過ごせるかもしれません。人生は今の連続でできています。
ダニエルさん目に毒です。
4.断酒ではなく解酒
「断酒」と言うと、アルコールと戦っている様なイメージが浮かびます。私はアルコールとは戦いません。絶対に勝ち目が無いからです。相手は無限に存在し、たぶん朽ち果てて居なくなる事もありません。どこに行っても「どや顔」で私の視界に入ってきます。
だから私が勝手に作った「解酒」と言う表現を使いますね。アルコールの支配から解放されることを意味しています。
断酒は「アルコールに焦点を当てる」事でアルコールを断ちます。対して解酒は「アルコールから焦点を外す」事で、アルコールに支配された心の解放を目指します。
アルコールに焦点を合わせる方法は、飲んでいない時でもアルコールに翻弄され続けます。心の中心には常にアルコールが居座り続け、断酒の為に生きる事になります。
「アルコールから焦点を外す」とは、アルコールから目を背けるという意味ではありません。「幸福を追求する『自分』に焦点を当てる」と言う意味です。アルコール依存症になっても、その人の幸福のあり方は以前と変わらないものだと願っています。
私は「断酒会」「AA」に変わるものとして「解酒」を創造し、自らの心と体でそれを実践して体系化しようとしています。無謀なのは承知していますが、人生の中で叶えたい事の1つなので、粛々と進めて行きます。
何かを断つ事に費やす人生より、何かに挑戦し創造する人生を・・・
5.治療ではなく昇華
アルコール依存症に対しての治療は、未だ確立されていません。確立されていたら、もうとっくに完治しているはずです。
確立された治療方法が無いのなら、私は死ぬまでアルコールに支配され続ける事になります。もし本当にそうなら、絶望して前向きに生きる気力なんて湧いてきません。
今、私がなぜ前向きに生きていられるか、それは日々アルコール依存症を「昇華」する為の旅をしているからです。
昇華とは「より高度な状態へ飛躍させる」と言う意味があります。アルコール依存症を患う事で、常人には理解できない心の葛藤を経験します。そんな苦悩を抱えて生き、乗り越えようとする過程で、それを自分らしさとして「昇華」できると信じています。だから私は、人生を悲観せずに前向きに進む事ができる様になりました。
蓮の花言葉「清らかな心」
6.最後に・・・
アルコール依存症を取り巻く諸々の問題と向き合う為には、アルコール依存症者個人の人格を否定する方法では永遠に解決は訪れません。悲惨な事件や事故は繰り返えされます。
アルコール依存症は病気です!なぜ人格を否定されなければならないのですか?世間は個人の人格を問題視し、その責任を追及するばかりで、アルコール依存症への理解は全く進んでいません。病理を解明し、患者への治療方法を確立しない限りは、治療は不可能です。
治療が不可能でも現状を変える術はあります。アルコール依存症への正しい理解と対応が周知されれば、必ずいい方向に変わります。
私ができる事は、ブログでアルコール依存症について発信する事、「解酒」を身をもって体験する事です。
アルコール病棟で身をもって彼ら、彼女らと触れ合った私は、自らの試練を受入れながら、アルコールの害で悩む人を救う使命感で生きています。
皆さん一緒に「解酒」を創造していきましょう!
最後まで読んでくれて、ありがとう(^^)/