20代のときに「境界性パーソナリティ障害」と診断されました。20年近くたった今でも私を苦しめています。もっと人と深く繋がりたいのに…できないんです。
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境界性パーソナリティ障害とは
特徴的な考えや感情を持ち、ものの捉え方や行動の偏りが大きいために、人間関係を円滑に築くことが困難になる病気のことです。時に自分を傷つけるような衝動的な行為をしてしまうことがあります。
気持ちや行動、対人関係が不安定になりやすく、日常生活や仕事で著しい苦痛や支障を引き起こしてしまう障害です。
基本的には、相手の気持ちを敏感に察することができるため、相手のために(時として必要以上に)頑張ったり、思いやりのある行動をとったりすることが多い人達です。
ただ、相手が自分を見捨てて離れていく、自分を大事にしてくれていない、と感じると、不安や怒りが急に強くなり、うまくコントロールできなくなってしまいます。
冷静になると、なぜあんなことをしてしまったのか…と自分を責めてしまい、とても辛い気持ちになり、さまざまな影響が出ます。
境界性パーソナリティ障害の症状
特徴的な症状:
・他者から見捨てられることを過剰に恐れる
・常に不安を感じる
・気分の変化が激しい
・感情を抑えることができない
・他者の注意を引こうと過剰な言動と行動をしてしまう
・人を怒らせたり、傷つけたりしてしまう
・自身を傷つけるような行為を繰り返す
※境界性パーソナリティ障害 = BPD(Borderline Personality Disorder)
BPDは20年経っても私を苦しめる
もう大丈夫だと思っていました。いいえ、思いたかったんです。もう普通の人と同じように、楽しく人と接することができると思いたかった。
20代
20代は人間関係にひどく苦しんだ時代でした。
うつ病、失業、離婚、家族との確執…地獄でした。「死にたい」と向き合う日々でした。感情をコントロールできず、泣いたり笑ったり怒ったり…。体は大人なのに、3歳児の情緒しか持ち合わせていない状態でした。
家族は苦しみから逃れるために、制御不能な私を何度も実家から追い出しました。帰る場所がなく、途方に暮れたこともあります。
生きているだけで精一杯でした。死ぬまでずっとこの苦しみを味わい続けるのだと感じ、希望など一切持てませんでした。
30代
苦悩の20代で唯一の救いは、友人達の存在でした。よく一緒にお酒を飲んだ「良い」思い出が残っています。私の大切な青春でした。
家族と疎遠になり、大切な友人達から自ら離れていったのが30代でした。BPDの症状が原因です。妄想に憑りつかれて友人を信用できなくなりました。人間関係にいつも不安を抱えていました。
30代後半には、BPDをうまく飼いならすことができてきました。人との関係を極力持たない生活に慣れていました。仕事以外はいつも独りでした。寂しい気持ちを抱えていましたが、お酒が紛らわせてくれました。
家族からも友人からも解放されて一人になりたいと願い、願いが叶って独りぼっちになった時代でした。
40代になって
1年前にブログをはじめて、欲が出てしまいました。自信過剰になっていたんです。
もう大丈夫だと思っていました。いいえ、思いたかったんです。もう普通の人と同じように、楽しく人と接することができると思いたかった。
SNSをはじめて思い知りました。私の人格は未熟なままだったことを…。感情がコントロールできなくなるんです。人を大好きになったり、大嫌いになったり。自信過剰になったり、自己嫌悪に陥ったり。
そして人を巻き込んでしまうんです。私の行く所には非日常がセッティングされます。みんなが疲れてしまうんです。私も疲れます。
みんなから、すべての人から好かれたいんです。一人たりとも取りこぼしは許されません。99人に好かれても、1人に嫌われたら苦しくなるんです。その1人に好かれたくて心を砕くんです。
こんな精神では、多くの人と付き合って無事ではいられません。今回だってそうです。たった2か月半ですが断酒していました。それを破って飲酒するキッカケになりました。
当たって砕けろ
BPDは治らない
今回のことで思い知りました。私は人と深く繋がることができないんです。親密になることができないんです。悲しい現実です。
40代になってもなお、アイデンティティ(自己同一性)が未熟なんです。自分という存在が曖昧なままなんです。だから些細なことで感情が揺れ動き、最終的に苦悩を味わうことになるんです。
他人と一定の距離を置いて生きる方法が、私に残された幸福なのかもしれません。BPDは時間が、年月が解決するとされていますが違います。年を重ねることで自分なりの生き方を確立するだけ、慣れるだけなんです。BPDは治りません。
でも結婚したい
人を好きになると、自分に可能性を感じてしまうんです。
アルコールに溺れ、感情をコントロールできない私にだって、夢ぐらい見させてください。
結婚をして、子供が2人いて、笑顔で「おはよう」と言って、笑顔で「おやすみ」と言う。そんな1日を暮らしてみたいです。笑顔じゃなくてもいいですね。
心も体も健康で、普通のことが普通にできるなんて幸せですね。