こんにちは、著者の天鼠(てんそ)です。
父は兄弟がそろったときに相続に対するスタンスを公開してきます。
UnsplashのKelly Sikkemaが撮影した写真
父と私
先週兄弟がそろったので集合がかかり、資産の一部が公開されました。私は「めんどくせーな!」といった態度をしめすが・・・実は自分もそういうこと考えるの好きなんだ。他人には強要しないけどね。
渡されたのはごくごく一般的な紙のA4ファイル。タイトル部分には「エンディングノート」とキレイとは言えない文字で書いてある。中身は事務的にまとめられ、見栄えには一切配慮していない資料でした。私なら見る人のことを考えて作るけどね。
そんな実用性と貧乏臭さを兼ね備えたエンディングノート、私は嫌いじゃない。父らしいと思ったし、私が合理的なのは父ゆずりなのだと思う。
父と私の大きな違いは優先順位だと思う。「自分の気持ちを優先しがちな父」と「相手の気持ちに引っ張られる私」そんな感じだと思う。
そんな二人は半年に一回ぐらいしか口をきかない。父のことは理解できない。でも、エンディングノートの内容は理解できた。
兄弟は巻き込まれた?
姉と弟には「すんません」って気持ちです。
普段から父と私がコミュニケーションをとっていれば、姉と弟はいきなりこんな話をされずに済んだと思うから。姉と弟を利用して、私に連絡しているのではないかと思うから。
父の総資産を予測
エンディングノートの資産をまとめたページ、固定資産の金額はキッチリ記載されているが流動資産の記載はされていない。親の資産をあてにするからだそうですが「あてにするか!」といった気持ちです。
しかし、流動資産を預けている銀行口座は記載していました。複数の銀行に口座を持っている。私は自然と父の流動資産の予測をはじめました。
あの父が、一千万円とその利息しか保証されない普通口座に一千万円以上置いておくか?預金保険制度は金融機関単位なので、同じ銀行に多くの口座をつくっても補償される金額は変わらない。地方銀行には・・・絶対に置かない。メガバンクはどうだろう・・・たぶん置かない。
父の性格とお金を預けている銀行の数から、おおよその流動資産額が予測できました。あくまで予測だけどね。でーも、思っていたよりも少ない。「まだどっかに隠してんじゃねーのか!」と怪しんでいる(笑)
私が金融に強くなったわけ
私はなぜ父の総資産を予測できるのか?それは私がお金に関する知識を有し、それを応用する能力があるから。「えへん」
私がお金関係の勉強をはじめたのは、コロナ禍の前に父が兄弟をあつめて相続の話をしてから。はじめは父に対抗するための勉強だった。言われるがままなのは気に入らない。でも無知な自分じゃ太刀打ちできない。
金融の知識が高まって、コロナ禍で資産を増やせたのは父親のお陰ということです。
私は家系のストッパー
エンディングノートには他にもいろいろなことが書いてあった。
父の思い出とか、棺桶に入れて欲しいモノとか。エンディングノートの最後の方には、家系図も記載されていた。昭和、大正、明治、慶応にまでさかのぼっている。そして・・・父と母のところで止まっていた。「私が止めている?」と思った。御先祖様に「ごめんね」と言ったけど返事は聞こえない。
「婚活を頑張れ!」と言っているのかもしれない(笑)
微々たる・・・
「心配しなくてもお金のことは俺がやるよ」なんて言いたくもないし、言える関係でもない。代わりに私はエンディングノートに付箋を貼って返した。
「変更があれば、また見せてください」
それは合理的な息子からの精一杯のリアクションだった。業務連絡のような、温かいのかそうでないのかもわからないぐらい、微々たる・・・。
エンディングノートは、父と私の唯一のコミュニケーションツールになるかもしれません。