「渋沢栄一」が1万円札の肖像画
「このパッとしないオヤジはだぁ~れ?」これが渋沢栄一に対する率直な第一印象です。
2024年から渋沢栄一が1万円札の肖像画になると、テレビを見て知りました。無知な私は、「肖像画選びのセンスまで悪い国ジャパン」と嘲笑していました。数年後、論語と算盤という本を手に取るまでは…。
くわばらくわばら…
「論語と算盤」を読みはじめると、無知な自分を恥じる間もなく渋沢栄一に陶酔していきました。読み終わると、「諭吉よりも1万円札の肖像にふさわしい男だ」と手のひらを返して絶賛しました。
【算盤】資本主義の父
渋沢栄一は、日本の資本主義を設計した実業家です。なんと約480社もの企業の創立、発展にかかわっています。
- JR
- 日経新聞
- サッポロビール
- みずほ銀行
- 帝国ホテル など
私は栄一さんの先見の明、底知れぬパワーに惚れました。100年も前から資本主義を理解し実践して、日本に大きな影響を与えた人。たった一人の人間が、国に大きな影響をあたえられるなんて…。人知を超えた力です。
【論語】実業にも道徳は必要不可欠
資本主義、実業家と聞くと、私利私欲の塊を想像してしまいます。渋沢栄一は私欲に走らず、「国のため社会全体のため」に尽力しました。だから社会全体が成長して大きな成果を生み出し、みんなで富を分け合えたのです。
私は職場で「会社の利益のため」と言うことがあります。「キャー会社人間だぁ~」なんて言わないでください。会社の利益を追求することは、とても合理的なことです。会社にかかわるすべての人の利益になります。社員、社員の家族、グループ会社、取引先、下請け、お客様…。
おわかり?
自分の損得しか考えない人間は、結局は損をします。多くの人と利益を共有していることを、ちゃんと理解できないのです。このような人間は俗に「腐ったリンゴ」と呼ばれ、資本主義社会の足を引っ張る存在です。
渋沢栄一の存在が、実業にも道徳が必要不可欠だと教えてくれました。
最後に
私には、実用書や自己啓発本を買うときの選考基準があります。それは著者が亡くなっているか否かです。迷ったら著者が亡くなっている本を選びます。なんか不謹慎ですか?
亡くなってもなお影響力のある人物は、本物です。多くの本の中から、効率よく良書を手にするコツです。やはり偉人の言葉には説得力と、凡人にでも理解できる親切さがあります。
論語と算盤を手にとり、渋沢栄一と出会い、賢明に生きる知恵をつけました。
現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書 827) [ 渋沢 栄一 ] 価格:902円 |