アイキャッチ画像:キュリ・キトゥス
こちらの投稿を先に見てね→ どんな事情があっても直接会って告白しよう
私が好きになった元技能実習生のベトナム女子。私が投稿した告白ブログを閲覧した後に、連絡が途絶えていました。
妄想が私の心を占拠して、何度もいろんな物語を再生します。少しの希望と大きな絶望の間で揺れ動き、疲れ果てる精神。
そんな中、彼女がFacebookに投稿した写真みて、あることに気が付きます。
彼女が私に伝えたかったこととは…。私に新たな交流がはじまった話です。
Contents
技能実習生時代の彼女
「ケッコンシテ」
彼女は3年間技能実習生として日本で働き、2年前にベトナムへ帰国しました。小柄で感情表現の豊かな笑顔の可愛い子でした。当時は恋愛対象として見れませんでした。その無邪気で幼い笑顔がそうさせました。
私になついた小動物のようでした。彼女がうわ目づかいで「ケッコンシテ」と言ってくるのを、苦笑いでやり過ごすのがお決まりのパターンでした。
仕事で忙しい私は彼女の「ケッコンシテ」を、「かまってよ」「話をしよ」ぐらいの要求だと、勝手に解釈していました。本気ではないと思っていたんです。
しかし結婚を懇願する彼女の幼い顔は、いつも真剣そのものでした。
「あなただけ」「男の人を好きにならない」
彼女の「ケッコンシテ」は、実習期間の後半にはピタリと無くなりました。それにはキッカケのような出来事があったんです。
技能実習生の寮で帰国する子の送別会を開いた、その帰り際のことです。彼女は私にすがるような目で質問してきました。「私のこと好きじゃない?」私は茶化して答えます。「はい、あなたは子供ですから」
彼女はうつむき、次第に表情が険しくなっていきました。何かを必死に飲み込もうとしているようでした。そして最後の力をふりしぼるように、涙をうかべて私に訴えました。
「あなただけ」「男の人を好きにならない…」
「この子は過去に、男性不信になるような経験をしたのだな」と思いました。そして、それ以上は深くは考えませんでした。
それ以来、彼女の「ケッコンシテ」を聞くことはありませんでした。
SNSで再会
恋愛感情
自分でもわかりません。急に彼女のことが気になりFacebookをはじめました。恋愛感情はなく、ただ漠然と気になっただけです。しかし投稿された彼女の写真を見た瞬間に、恋愛感情が込み上げてきました。
そこには当時の幼さを残しつつ、女性として洗練された凛々しい表情が写っていました。恋愛感情は制御不能となり、私は一刻も早く自分の思いを伝えなくてはと、気が焦るばかりです。
そうこうしている間に、彼女からチャットで連絡が入ります。
メッセンジャー
訳:こんにちは、あたしのことが恋しくなったの(笑)
訳:こんにちは、あなたのことが恋しいよ
愛の告白ブログ作戦
チャットでは溢れる思いを伝えきれません。私はすぐに良い作戦を思いつきました。この「幸福の天鼠ブログ」で愛を告白すればいいのだと…。
彼女を知るとき
うぬぼれと無神経
告白ブログで自分の気持ちを吐き出せて、とても清々しい気分になりました。「まだ自分のことを好きでいてくれるはず」という、強いうぬぼれがあったからです。
しかし待てど暮らせど、彼女からの返事は返ってきません。清々しさは間もなく苦悩へと変わっていきました。彼女の気持ちが全くわからず、心がひどく痛みました。
時がたち恋愛感情の暴走がおさまるにつれて、無神経な自分に嫌悪を感じるようになりました。私は彼女の誕生日も、血液型も、好きな食べ物も、何も知らないんです。どれだけ彼女に失礼なことをしたのか…。後悔しても遅いのはわかっていました。
SNSに投稿された写真
私は彼女のことをもっと知りたいと、SNSのプロフィール、投稿などを毎日ながめていました。たくさんの写真がありました。技能実習生時代に一緒に撮った写真もありました。
彼女は満面の笑みで私は…真顔。笑うのが得意ではないのです。いつも写真を撮るときは「笑って!」と怒られていたのを思い出します。
そしてFacebookに投稿された多くの写真を見るなかで、私はあることに気が付きます。彼女が「ケッコンシテ」を言わなくなった時期から、ある女性とのツーショットが増えていたんです。
通訳の女性
私の言葉を技能実習生に通訳していた女性です。私の良きパートナーです。帰国するときには「ベトナムで会おうね」と本気で約束をする仲でした。
当時2人はとても仲がよかったのを思い出します。彼女と通訳の女性のツーショット写真は、彼女が帰国した後も投稿されていました。そのツーショットには、仲が良い以上の何かを感じずにはいられませんでした。
最新のツーショット写真
私が想いを伝えた後に、彼女は最新のツーショット写真を投稿しました。その写真を見て、無神経な私もやっと事態を理解しはじめました。
2人は寄り添って、まるで恋人のように見つめ合っていたんです。
彼女が伝えたかったこと
3年遅れて届いた想い
「あなただけ」「男の人を好きにならない…」
この言葉の意味を誤解していました。言葉の壁?いいえ、私の無神経がなせるわざです。彼女の言葉をちゃんと正面から受け止めていれば、気が付けたはずなんです。そうすれば今の2人の関係は、違ったものになっていたかもしれません。
彼女が私に伝えたかったことが、3年遅れてやっと私に届きました。
「私は女の人しか好きになれなかったんだよ」「でもあなたのことを好きになったんだよ」「唯一好きになった男の人があなたなんだよ」「あなたしかいないんだよ」「だから結婚してよ」
舞い降りた想い
「ケッコンシテ」の中にこんなに多くの意味があるなんて…切ないですよね。ちゃんと意味を理解できたなら、私は彼女に惹かれたかもしれません。
私が彼女に告白しなければ、彼女の想いを一生受け取らないままでした。彼女の強い想いが風に乗り、私のところへ舞い降りたのかもしれません。本当に不思議です。
私はこのことを、彼女のことを、一生忘れることはないでしょう。
新たな交流のはじまり
人間関係と依存を恐れて拒んできたSNS。こんな思いができたのは、Facebookのお陰でもありますね(笑)物は使いようです。
その後のチャットで彼女と分かり合えました。「あなたのことは好きだけど、今はあなたと恋愛することは考えられない」と正式にフラれました。
コロナ後にベトナムで会う約束をしています。その時は『ベトナムで一番可愛い子を紹介してよ』と、彼女に依頼しておきました…。この言葉の意図を、彼女は察知していません。今度は彼女が、私の想いを探す番です。
彼女を好きな気持ちは、日に日に募るばかりです。彼女に対する身に覚えのない、異常なまでの募る想いは、近い未来に私が抱く感情だったのかもしれません。(終)